恋愛はもうしないと決めたのに、次期社長にアプローチされて困ってます!

「それはできない」

はっきりと言われ、五月が顔を上げれば総悟と視線が絡み合う。総悟の頰は赤く染まり、その瞳にも熱を帯びていた。

「一目五月を見た時、ふと頭に浮かんだんだ。もしも、この人と人生を歩めたらって。きっとこういうのを『運命』って言うのかもしれないね。だから、絶対に諦めたりしない」

その言葉に、五月の胸が大きく跳ねた。固まっていると総悟の顔が近付き、五月は反射的に強く目を閉じる。総悟の唇が五月の耳に触れた。

「ひゃっ……」

こんなに甘くて優しいキスを五月は知らない。元カレとのキスはただ乱暴で、自分勝手なものだった。だから五月は恋愛漫画で登場するキスシーンが苦手だった。だがーーー。

(どうして、会ったばかりの人にキスをされてこんな気持ちになってるの?私は恋川さんに相応わしくなんてないのに……)

自分の気持ちに五月が戸惑っていると、耳元で総悟が囁く。

「恋人なら、この五倍は甘やかしてあげられるけど?」