「お疲れ様。これ飲んでひと息ついてちょうだい」
「ああ、ありがとう」
「ありがとう、おばあちゃん」


傍らの椅子に座り、麦茶で喉を潤す。


「瀬那さん、今夜こっちに来ると言っていたね」
「うん。今夜から日曜日の夜までね」


先週は海外出張で会えなかったため二週間ぶりになる。今日は少し早めに保育園に陽向を迎えにいって、夕食の準備に取りかかる予定だ。
陽向もものすごく楽しみにしている。


「なかなか会えなくてちょっと不憫ね」
「まぁそう言うな。ふたりで決めたスタイルだ。私たちはそれを尊重してやらないと」


眉尻を下げる悦子を辰雄があやす。悦子も「そうよね」とすぐに思いなおしてくれたが、やはりひ孫が心配だろう。


「ごめんね、いろいろと気苦労をかけて」


沖縄に来て以降、ふたりには面倒をかけ通しだ。