多分、この学園で一番栞に近いのは世妖だと思う。

 世妖も栞にはそのおかげで懐いてるんだと思うし、本能とでも言っておけばいい。

 それでもあそこまで他人の事を考えるなんて、びっくりだけど。

 ……だけど俺も、人のこと言えないかも。

 俺だって多少なりとも栞のことを考えてしまっているし、興味が日に日に沸いている。

 だから……栞の化けの皮を、剥がす必要があるって思ったんだ。



 翌日になり俺は、さっそく栞に向けての罠を仕掛けておいた。

 それは、この学園中の邪気を一か所に集める事。

 本当に栞が元宮神菜ならこの大量の邪気に気付くはずだし、魔術を使えばもう確定。

 俺はあんまり邪気の扱いが上手いわけじゃないから、邪気を集めるのにも一苦労。

 それでも元宮神菜に会える希望があるなら、この苦労も苦じゃない。

 元宮神菜はいろんな種族から引っ張りだこだけど、それは俺たちの天界族でも同じ。

 だから一刻も早く、元宮神菜を引き入れる必要がある。

 でも、この罠を実行したのは授業真っただ中の時間。