「あっ、そろそろ私も行かないと……。」

 そろそろ新さんたちの試合が終わるから、もうすぐ女子の決勝試合が始まる。

 三年生はさっき一年生に勝ったから、二年の私たちと戦うことになっているんだ。

 私は本部にいた天さんたちに声をかけ、待機場所に向かおうと急ぐ。

 優勝はしたいけど、三年生に勝てる気はしないなぁ……。

 でも、出るからには精一杯頑張らなくちゃ!

 私は試合が始まるまで、心をわくわくと跳ね上がらせて楽しみに待っていた。



 ピーッと体育館中に笛が鳴り響き、バレーの決勝戦が開始される。

「柊木さんっ!」

 同じチームの女の子にそう言われて、慌ててボールを受け取ってスパイクを打ちつける。

 乾いた高い音が鳴り、一点先取はとりあえずした。

 さっきの女の子からグッドサインを出されて、私もつられてピースを作る。

 だけどそんな暇なんてなくて、呑気にしていたら点を取られてしまった。

 あっ……取られちゃった……。

 しゅんと肩を落としそうになったけど、すぐに気合を入れ直しまた点を稼いでいく。