もちろん、これ以上のわがままなんて言えないし、何かを求めるつもりもない。

 でも……新さんにそう言ってもらえるだけで、心が軽くなっていくような気がした。

 新さんの言葉には、不思議な力があるのかもしれない。

 私の不安を取り除いてくれるような、安心させてくれるような……言葉が。

「本当に何から何まで、ありがとうございますっ。」

 だけど今の私には、そんなお礼の言葉しか返せない。

 こんなんじゃ何にもならないのは、重々承知している。

 私も、何か新さんの為に頑張りたいな……。

「新さんも、私のことを頼ってください!」

「あぁ。」

 せめてもの言葉として、新さんに向けてそう言う。

 私じゃ足手まといになるだけだと思うけど、できる事ならお手伝いさせてもらいたい。

 それに私も……新さんに頼られたい。

 ……って、新さんは私より何倍も凄い人なんだから、私なんかじゃ力にならないか……。

 だけどそれでも、私だって新さんの力になりたい。

 そう思いながら、私は頬を綻ばせて満面の笑みを浮かべた。