だからもっと……別の事を言われるんじゃないかって思っていた。

 それこそ、拒否拒絶……。

 だけど新さんは、そんな私の考えを覆すようにいとも簡単に言ってしまった。

 不安がる隙もないような、間髪入れない間に。

「ほ、本当ですか……?」

「あぁ、当たり前だ。もっとお前には甘えてほしい。」

 あ、甘えてほしいって……これ以上の甘え方なんて分からない。

 でもそう言ってもらえると、もっとわがままになっていく気がしてならなかった。

「私、わがままじゃないですか……?」

 こんなに良くしてもらって、その上図々しいお願いまで……。

 あっさりと新さんは言ってしまったけど、あっさり過ぎて拍子抜けしてしまいそう。

 か細い私の疑問に返ってきたのは、やっぱり優しい新さんの言葉。

「わがままなんかじゃない。もっと甘えてわがままになってくれ。お前は人を頼らなさすぎる。」

 うっ……た、確かに頼ってはないかも……。

 だけど新さんがこう言ってくれてるなら……もっと甘えても、良いんだよね……?