ま、まさか自覚なしっ……!?

 一瞬そう考えて驚いたけど、新さんはその後恥ずかしそうに視線を私から逸らした。

 何も言わないけど、少しだけ頬を染めているから照れていることが窺える。

 新さんが、照れるなんて……。

 意外だと言ったら失礼かもしれないけど、新さんは基本無表情だから驚きを隠せなかった。

 でも、そんな新さんが可愛く見えてしまい、もっと褒めたくなる衝動に駆られる。

「新さんすっごくかっこよかったです!動きもスマートで会場の皆さんを魅了していて……新さん、本当におめでとうございますっ!」

 思いの丈を言い放ち、にこっと満面の笑みを浮かべる。

 本当に、凄く凄く……誰よりもかっこよかった。

 そんな気持ちを込めて、新さんを見つめる。

 新さんは私の言葉に照れているようだったけど、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

「神菜に褒められるんだったら、球技大会に出た価値があったな。」

 だけど……独り言のように言葉を零した新さんに、疑問がもう一つ芽生える。

 そ、そういえば気にしてなかったけど……新さんって、球技大会今まで出席した事なかったんだっけ……。