あれ、私何かおかしな事、言っちゃった……?

 意味が分からずに、瞬きを何度も繰り返してしまう。

 新さんは難しい顔をしていたけど、その後に我に返って柔らかい笑みを浮かべてくれた。

「まぁ……間違いなくお前が一番周りに良い影響を与えているんだ。だからそこまで気にしなくて良い。」

「そ、そうですか……。」

 新さんの言葉の意味がよく分からないけど、ここで尋ねても話が進展しない気がする。

 私はそんな事をぼんやりと考えながも、ある事を急に思い出した。

「そ、そう言えば新さんっ!球技大会優勝、おめでとうございますっ!」

 思い返してみれば私、球技大会の事何にも言えてなかった。

 男子の部のほうも、二組織の対決のほうも……お祝いできてない。

 今更感が拭えないけど、それでも言いたくてできるだけ大きな声で言い放った。

 新さん、本当に凄かったっ……!

 誰よりも目立っていて、誰よりも輝いていて……球技大会で一番活躍していたのは、間違いなく新さんだと思う。

 新さんは私の言葉に一瞬きょとんとした、自覚がなさそうな表情を浮かべていた。