みんな、すっごく優しい……。

 ノートを取ってくれることはありがたいし、こんなに優しく接してくれることも嬉しい。

 こんな風に接してくれることは私にとって新鮮で、これだけでもかけがえのないものになりそうだった。

「新さん、Anarchyのみんなってどうして優しいんでしょうか。」

 思った事をそのまま口に出し、ぼんやりとスマホ画面を眺める。

 優しいのはAnarchyの皆さんだけじゃないけど、一番関わっている組織で言えばAnarchyになる。

 編入当初から優しくしてくれて、今だってこんなに温かい。

 何の気なしにそう呟くと、新さんがこんな言葉を返してくれた。

「前にも言ったが、それはお前が優しいからだ。優しくしない奴に優しくしようだなんて、誰も思わない。」

「そ、そういうものなんですか……?」

 た、確かに新さんの言っていることも分かるけど……私はいろんな人に優しくしてあげたい。

 首を傾げて疑問の言葉を口に出すと、新さんは眉間に皺を寄せて難しい表情を浮かべてしまった。