でも驚くことに、点差があまり大きく開いていなかった。

 三年相手にあそこまでできるなんて……一年生でも侮ってたら私たちだってすぐに負けちゃいそう。

 今回は一年生と戦わないけど、今の試合を見ていたら圧倒されてしまった。

「ほら、栞もこれで分かったでしょ?もう少しで一年が三年に下剋上しそうだったんだから。」

「げ、下剋上って言い方は止めませんか……?」

 下剋上って、この場には合っていないような言葉な気がする。

 だけど天さんはふふっと笑ってから、不敵に口角を上げた。

「あながち間違いじゃないんだから、別にいいと思うけど。他学年に不満を持っている生徒も、少なからずいるわけだし。」

 天さんはそう言って、はぁ……と息を吐きだした。

 まるで困っているような、諦めているような表情で。

 その天さんの様子を見ると、やっぱり種族間の関係もあるのかなと思ってしまう。

 もちろん学年だから、種族とかは関係ないかもしれないけど……そう考えるのが自然な気がした。

 どうしたらもっと、種族同士が仲良くなれるんだろう……。