私は今、もう見慣れてしまった新さんの部屋のベッドに横になっている。

 隣には眉の端を下げて心配そうに私を見つめている新さんがいて、まだはっきりしない頭でゆっくりと体を起こそうとする。

 でも体を起き上がらせた途端、自分の体の変化に気付いた。

 体が鉛みたいに重たくなっていて、頭もぼんやりしている。

 幸いな事に熱はないけど、それでも苦しい事には変わりなかった。

「神菜、風邪ひいてるから起き上がるな。寝とけ。」

 新さんは無理に起き上がろうとした私を慌てて静止して、また私はベッドに横にる。。

 風邪、ひいてるんだ……私。

 きっと魔力風邪だと思うけど、風邪をひくなんていつぶりだろう……?

 悠長な事を頭の中に浮かび上がらせ、ある事を尋ねようとゆっくり口を開いた。

「新さん、私……どういう状況ですか……?」

 働いていない頭で思っている事を聞いて、首を傾げてみせる。

 眼鏡は外されているけど変装はつけたまま、ジャージのままで新さんのベッドに寝てしまっている今の状況。