新さんじゃないと、安心できない……っ。

 ふっとそう思って、私はやっと自分の気持ちに気付くことができた。

 新さんがいないと私は、もう心の底から安心することはできない。

 新さんの優しさに触れないと、恐怖が上塗りされない。

 ……新さんじゃないと、嫌。

 創さんを利用して気付いたような気持ちだけど、この気持ちに嘘はつけない。

 いつでも私を笑顔にさせてくれて、安心を覚えさせてくれる。

 不安な時は傍にいてくれて、ピンチの時には一番に助けてくれる。

 私は自分の気持ちをはっきり自覚するように、心の中で反芻した。

 ――私は新さんのことが、好きなんだっ……。

【続く】