嫌、やめて……っ。

 ――助けて、新さん……っ!

「何してんだ、お前。」

 心の中で強く願った瞬間、新さんの声がすぐそばから聞こえてきた。

 さっきまで恐怖に苛まれていて俯いていたけど、すぐに顔を上げる。

 頑張って首を動かして声のしたほうを見ると、驚くほど血相を変えている新さんの姿が。

 あらた、さん……っ。

「新さんっ……!」

 創さんも新さんが来るとは思っていなかったのか、一瞬手の力を緩めた。

 その隙をついて創さんが逃れ、新さんの元へと駆け寄る。

 ぎゅっと新さんに抱き着いて、さっきまでの恐怖を消そうとする。

 こわ、かった……っ。

 新さんはたくさん涙を溢れさせている私の様子から感じ取ってくれたのか、頭を撫でて私を抱き寄せてくれた。

「俺がいるから大丈夫だ。すぐに来れなくて悪かった。」

 小さな声でそう言われて、温かい体温に包まれる。

 その体温は心の底から安心できるもので、すぐにさっきの恐怖が消えていくように思えた。

 新さんの安心感と優しい温かさに触れて、ほっと息を吐く。