「はぁ……やっとお仕事終わりましたね、先輩。」

 今日の分の生徒会が終わってパソコンを片付けていると、都真君からそう言われた。

「そうだね、お疲れ様。」

「先輩もお疲れ様です。いつもありがとうございます。」

「ううん。大丈夫だよ。」

 他愛ない話を交わしながら、微笑みを洩らす。

 最近は体調不良者も出ていなくて、安定した生活を送れている。

 それもこれも、全部新さんのおかげだっ……。

 そこまで考えて、はっと我に返る。

 あっ……私、新さんへのお礼何も考えてなかった……。

 昨日は甘い言葉を言われまくって、キャパオーバーだったから仕方ないと割り切るしかない。

 き、昨日は新さんが意地悪だったからで……。

 新さんが意地悪じゃなかったら、私だってちゃんとお礼考えていた……と思う。

 自分を納得させるために、うんうんと一人で頷いて無理やりこじつける。

「先輩?どうしたんですか、百面相して。」

「えっ……な、何でもないよっ……!」

 昨日の事を言う勇気なんて度胸、私にはない。