そ、そうだ……！絶対にそうっ……！

「新さん、意地悪はやめてくだ……っ！」

　そう言って新さんに向き直った時、頬にキスを落とされてしまった。

　…………っ！？

　一瞬、何が起こったのか分からずフリーズしてしまう。

　でもその直後、顔にこれでもかってほど熱が集中してきた。

「あ、あらた、さん……い、今っ……！」

「……悪い。神菜が可愛すぎて暴走した。」

　ぼ、暴走って……きゅ、急にキスなんて……。

　男の人経験がないから、こういう時どうすればいいのかなんて分からない。

　それどころか恥ずかしさと戸惑いで、頭の中がこんがらがって来た。

「き、キスはダメですっ……！」

　付き合ってもないのに、キスするなんて良くないですよ……！

　皐月君だってそうだったけど、恋人同士じゃないのにキスはどうかと……思ってしまう。

　免疫なんてないから、尚更無理っ……。

　そう考えて慌てて新さんから、目を逸らそうと体を動かす。

　でも……その前に新さんに名前を呼ばれ、動けなくなった。