だからこれくらい、何ともないっ……。

「心配してくださって、ありがとうございますっ!」

 きっと、新さんにはしつこいくらいお礼を言っちゃう。

 それくらい、助けて優しくしてもらってるから。

 微笑みを浮かべながら、大きな声でそう言い放つ。

 その途端、新さんは私の頬を愛おしく撫でてきた。

「あー……どうしてお前はそんなに可愛いんだ。可愛すぎて困るんだが。」

「へっ……?ご、ごめんなさい……?」

 どうして怒られているのか分からず、動きを止めてしまう。

 それに頬を触られているから……く、くすぐったいっ……。

 だけど新さんは何かが不満だったのか、一気に距離を詰めて抱きしめてきた。

 バックハグ状態になり、私も新さんに身を委ねる。

 ふふっ、新さんに抱きしめられると落ち着くなぁ……。

 新さんの雰囲気に包まれて、完全に気を緩めてしまう。

 なんだか、眠っちゃいそう……。

 そう、思った時だった。

「ひゃっ……。」

 新さんはあろうことか、私の首筋に顔を埋めてきた。