「新さん、昨日は本当にありがとうございました。私のお仕事だったのに、やってもらって……。」

 新さんと夕食を食べ終わり、食後のお茶を飲みながらお礼を伝える。

 元々は私に来たお仕事だったのに、肩代わりさせてしまって申し訳ない。

 謝ってばかりじゃダメだと思い、そう言って新さんに笑顔を向ける。

 本当に、ありがとうございますっ……。

「いや、神菜の魔力もかかっていたから俺は少ししかできなかった。ずっと魔力をかけているようだったが、体に負担はないのか?」

 眉の端を下げ、捨てられた子犬のような顔をした新さん。

 この人は、どこまでも優しいんだな……。

 そう思わずにはいられなくて、口元が緩み切ってしまう。

 新さんだって疲れているはずなのに、私に気を遣ってくれる。

 私は新さんに余計な心配をかけないように、ふふっと微笑みを見せた。

「はいっ。他の魔術師のお仕事で慣れているので、全然大丈夫なんですっ。」

 むしろ、これくらいの負担しかないのかって思うくらい。

 政府に常在していた頃のほうがお仕事内容が多く、負担も大きかった。