ど、どういう状況なの?これは……。

 心の中で苦笑いを零しながら、私は三人の言い合いを止めることにした。

「け、喧嘩はダメだよっ……!」

 どんな理由があるか分からないけど、喧嘩は絶対にダメ!

 みんなが仲悪くなっちゃったら、すっごく悲しいもん……。

 懇願するような声で、みんなをじっと見つめる。

 その瞬間に、三人が同時に動きを止めてくれた。

「栞、ごめんねっ。喧嘩じゃないから安心してっ?」

「ほ、本当に……?」

 明李君がそう言ってくれ、疑いの目を向けて聞き返す。

 信じてないわけじゃないけど、本当なのかどうか不安だった。

 そんな不安を取り消すために見つめていると、明李君がぎゅっと抱き着いてきた。

「うん!僕らは仲良しだもん!喧嘩なんてしてないよ~!」

「そ、そう……?なら良かったぁ……。」

 みんなが喧嘩してるところなんて見たくないから、そう言ってくれて良かった。

 ふふっ、みんな仲良しが一番だよっ……!

 でも結局のところ、新さんのお礼の件について考えをまとめることはできなかった。