最強さんは魔術少女を溺愛したい。④ ~三大勢力の溺愛は急上昇超加速~

 そのせいもあって、私は頑張って脱出できるように身をよじってみた。

「は、離して……?」

「しーちゃんで元気補給してるから無理~。」

 ええっ……そ、そんな効果ないけど……。

 私にそんな万能な能力はないよっ……と、心の中で訴える。

 夕弥さんにも似たような事言われたなと思い出し、もう一度逃げようと頑張ってみた。

 だけど力が強すぎて、びくともしない。

 和向君ってこんな抱き着いてくる人だったっけ……。

 そう思って言葉を発そうと和向君と視線を合わそうとすると、和向君と距離が生まれた。

 和向君が明李君に引っ張られたらしく、黒い笑みの明李君が視界に映る。

「和向も油断できないっ!栞は僕のだって言ってるでしょ!」

「誰がお前のだ。栞はまだ誰のものでもないだろ。」

「あはは~、何を焦ってるの~?しーちゃんにただ抱き着いただけなのに、ね~。」

 疾風君も途中で参加してきて、理解ができなくなる。

 さ、三人とも、何の話をしてるの……?

 明李君はいつも通りだとしても、疾風君や和向君も変な事を言ってる。