うーん……どうしたら……。

「しーおーりー……僕ともお話しようよー……。」

 だけど隣で、明李君がそう言ってきている。

 もしかして明李君、寂しいのかな……?

 最近何故か明李君が抱き着いてこなくなったし、そのせいもあるかも……。

 どうしてだろうと考えながらも、私は大きく頷いた。

「うんっ。お話しよっかっ!」

「えへへ、ありがとうっ。」

 明李君も同じように微笑んで、大きく頷き返してくれる。

 でもその時、いつもと何かが違うことに気付いた。

「あれ?疾風君と和向君って、どこ行ったの?」

 そういえば、さっき教室を出ていってから戻ってきていない。

 二人によると、先生に呼び出されたとか……。

 それにしては遅いような気もするけど……大丈夫かな。

 これまでの自分の経験から、あんまり良い事はないだろうと推測を立ててしまう。

 二人に限って、そんな事は……。

「あー……面倒な事になったな。」

「だよね~。僕らこんなに怪我しちゃったし~。」

 嫌な考えが脳裏に浮かびかけた瞬間、扉のほうから二人の話し声が聞こえた。