「せ、世妖さんっ……?」

 栞は訳が分かっていないのか、瞬きを何回もしている。

 ……可愛い。

 その瞬間、俺は栞を恋愛対象として見ている事にやっと気付いた。

 ううん、もしかしたらとっくの昔からそう思ってたのかもしれない。

 だけどはっきりと自覚したら、もっと栞を離したくなくなった。

 ずっとずっと、俺の腕の中に閉じ込めたい。

 半妖でも俺に優しくしてくれて、今みたいに寄り添ってくれる。

 こんな事が今までなかったなかったからかもだけど、それでも嬉しすぎた。

 ……でも、負け確だよな。

 相手が神々なんて、勝てるわけがない。

 そう思って分かってはいる……けど、栞は俺の専属抱き枕なんだから。

 栞が生徒会に来た時から、俺の抱き枕は栞だけだって……決めたから。

 ……だから絶対、誰にも取られたくない。