最強さんは魔術少女を溺愛したい。④ ~三大勢力の溺愛は急上昇超加速~

「俺は何て、言ってたの……?」

 何を言われるか分からない。何が出てくるのか予想できない。

 そのせいで聞く決意が揺らぎそうになったけど、これは俺の問題だから。

 お願いという気持ちを込めながら、栞に懇願する。

 じっと見つめていると、栞は諦めたのかゆっくりと口を開いた。

「えっと確か……『俺から離れないで。』って、お願いしてたように言ってたと思います……。」

 ……っ、確実だ。

 “俺から離れないで”

 その言葉は、幼い頃に俺が発した言葉だった。

 幼い頃はまだ何も分かっていない、ただのガキ。

 だから人に離れていってほしくなくて、何回も無我夢中で発した言葉。

 今はそんな事ないけど、時折幼い頃の夢を見る。

 そのせいで一時期不眠症になり、それがロングスリーパーへの道になった。

 まさか、さっきも夢を見てたなんて……。

 最近は全然見なかったから、完全に油断していた。

 昔の事はショッキングな内容も多かった為、若干の過呼吸に陥りかける。

 はぁ……とりあえず、落ち着こう。