最近、俺にはある悩みがある。

「あのー……世妖さん?今はお仕事中なので、抱き着くのはちょっと……。」

 今抱き着いている相手、柊木栞が可愛すぎる事。

 最初に生徒会室に栞が来た時は、相手にするつもりなんか一ミリもなかった。

 いちいち相手してても面倒だし、話しかけてほしくなかったから。

 俺は人間と妖怪の半分、つまり半妖に分類される種族。

 今でこそなくなったけど、幼い頃はそれで人付き合いもまともにいかなかった。

 周りには人間か妖怪のどちらかの奴しかいないから、種族が半分な俺は自分自身が嫌いだった。

 半妖だから、どっちの種族にもなれない。

 それが俺にとってはすっごく、窮屈だった。

 中学の時に天たちと会ってからは、大分マシになってきたと思う。

 それでもまだ嫌がらせされたりも……されたりしている。

 まぁ……相手にすらしてないからいいんだけど。

 きっと俺が栞に執着してるのは、一番存在が近いから。

 物理的にじゃなくて、種族的な問題で。

 栞も人間らしいから、この魔族や人外が溢れてる学園で俺が一番人間に近い。