……もう、来ちゃったんだ。

 その内容は驚くものだったけど、私には当たり前だと思っていたような事だった。

《元宮神菜殿

 近頃、月魔城学園での任務が滞っているそうではないか。

 このままだと、月魔城学園からの退学や政府との契約を切る事も視野に入れている。

 また、学園内での“暴走”や不祥事もだ。

 正体がバレても、同様の措置を取る。

 くれぐれも、正体がバレるような真似はしないように。

 政府》

 こんなお知らせが来る事自体は、ずっと前から予想していた。

 最近は任務はちゃんと遂行しているけど、問題が増え過ぎていた。

 だから……月魔城学園を去る事も、考えておかなきゃならないのかな。

 きっと、昔の私なら何の躊躇もなく割り切っていたと思う。

 お仕事だから、それが私の価値だから……受け入れなくちゃいけないって。

 契約が切れちゃったら、生きていけないけど。

 ……だけどそんなの、嫌。

 私は数年前から完全に、政府の籠の中にいる。

 だからその決められた運命に抗うなんて……そんな無謀な事したくない。