風羽さんにお願いしてから、もう数日が経った。

 私のほうでも魔力はかけているから、酷い事にはなってないけど……周りに影響が出始めていた。

 そのせいで今日一日、疾風君たちがげんなりとしていた。

 和向君も明李君も気分が優れないらしく、しんどそうにしているのがすぐに分かった。

「どんな感じ?」

 そう聞いてみたけど、返って来たのはこんな言葉。

「何とも言えないだるさがあるんだよな。まるで、対人外用の魔力かけられてるみたいな感じだ。」

 和向君も明李君も疾風君と同じような事を言っていて、余計に悩んでしまった。

 対人外用の魔力は、ないわけではない。

 でも学園内で弱体化系の能力を使うのは、禁止だったはずだよね……。

 魔族と人外の秩序を守るためにそういう系の能力はダメだと、校則にも記されている。

 なのにこんな事が起きているのは、違和感しかなかった。

 風羽さんも私がお願いしたからか、人目を気にしながらも現状を教えてくれた。

「僕はまだ大丈夫だけど、咲空や成生たちが酷いんだ。体調が悪くなってるのは、今はZenith幹部だけだけど……。」