世話を焼くのは好きだし、それだから多分周りからはそう思われてるんだと思う。

 そのタイミングで、頼んだお茶菓子が運ばれてきた。

 おりちゃんはシフォンケーキを頼んだらしく、好きなのかキラキラと目を輝かせていた。

 ふふっ、やっぱり妹みたい。

「おりちゃん、こうやって息抜きしないと人間って生きていけないよ。食べな。」

「……本当に、何から何までありがとうございます。成生お兄さんですね。」

 人間って脆いから、頻繁に息抜きしないと生きていけないらしい。

 おりちゃんはきっと、この学園の空気にも気付かれしちゃったんだと思っている。

 普通の人間だから、余計に。

 結局どうしておりちゃんがこの学園に来たのか、本当の事は分からない。

 それでもおりちゃんには、無理をしないで生きてほしいな。

「うん、俺のことは兄だって思ってくれたらいいからね。」

 俺はおりちゃんのことを恋愛対象として見る事はないから、安心してくれていい。

 ずっと好意を向け続けられてると、いくら優しいおりちゃんだって壊れちゃいそうだし。