弟や妹の面倒見てきたり、父さんたちの仕事の手伝いしてきたから、人の感情には敏感になってるんだよね。

 ただの思い付きだけど、おりちゃんが可哀想に思えてならなかった。

 あれだけたくさんの男に好かれてたら、鈍感のおりちゃんでもしんどいよね……。

「おりちゃん、悩み事があるならこの成生お兄さんに話してみな。」

 いつもの癖でつい、お兄さんって言っちゃったけど……ま、いっか。

 おりちゃんには兄だって思ってもらったほうが気が楽だし、これくらい可愛い妹が俺も欲しかったから。

 弟たちは最近生意気だし、妹たちも反抗期だからなぁ……。

 そう考えこんでため息を吐きたくなったその時に、おりちゃんが口を開いた。

「じゃ、じゃあ少しだけ……相談に乗ってもらえませんか?」

 恐る恐るお願いしてきたおりちゃんは、不安そうに少し俯き気味。

 やっぱりこれ、何か抱えてるなー……。

 俺は勝手に心の中で悟って、おりちゃんが話しやすい空間を作る為にカフェへと連れていく事にした。



「いきなり連れてきてごめんね。おりちゃんを見かけたから声かけちゃったんだ。」