「は、はいっ……。」

 その声ではっと我に返り、すでにケーキは完食していた為、私は慌てて席を立った。

 結局ケーキを奢ってもらってしまい、教室近くまで送ってもらう。

 面倒見良すぎだから、成生兄ちゃんって言われてそう……。

 何となくそんな事を思って、別れ際に成生さんに頭を下げた。

「成生さん、お話聞いてくれてありがとうございましたっ。」

「困ったことがあれば相談に乗るから、あんまり一人で溜め込まないようにね。じゃあね。」

「はいっ。」

 私は大きく返事を返し、教室へと向かった。

 本当ならこういう時は新さんに相談するほうが良いんだろうけど、告白されたから恋愛の話はしにくかった。

 だから成生さんにお話聞いてもらって、良かったのかもしれない。

 ……それでも、新さんとお話したいって思うのはわがままかな。