さらっとそんな事を簡単に言ってしまった成生さん。

 な、なんだか成生さんが凄くかっこいい事言ってる……。

 私は成生さんに感心しながらも、その言葉に思わずこう返した。

「成生さんってもしかして、前世の記憶とかあるんですか?」

 人生一回経験したみたいな人な発言したから、もしかして……。

 本気でそう思って、真剣な眼差しで成生さんを見つめる。

 でもそんな事はないのか、あっさりと否定されてしまった。

「よくそう言われるけど、全然そんな事ないよ。前世の記憶は全くないって言ったらいいのかな。」

 よ、よくって……言われた事はあるって事なのかな?

 よく言われるのに否定できるってことは、成生さん無自覚っ!?

 新さんも実力を全く分かっていないし、この学園には無自覚な人が多いんだろうか……。

 いや、もしかして無自覚が普通……?

 本気でその事に頭を悩ませていると、成生さんに声をかけられた。

「そろそろホームルーム始まるから教室戻ろっか、おりちゃん。」