「い、言い寄られっていうか……。」

 言い寄られているかは分からないけど、みんなの態度が違うのは何となく分かっている。

 まさかその原因って、好意からって事なのかな……。

 成生さんの口ぶりからするとそんな感じが窺える、けど私にはやっぱり分からない。

 みんなとは仲良くなったと思うから、ずっとそのままが良いんだけど……。

「成生さんってよく、面倒見が良いって言われませんか?」

「……まぁ、ちょっとは言われるかな。弟や妹がいっぱいいるから、そう感じるんじゃないかな。」

 成生さん、リアルお兄さんだったんだ……。

 こんな私にも気遣ってくれたり、お話を聞いてくれたり……成生さんにお願いして良かったかもしれない。

 さっきよりも少し、心が軽くなった気がするから。

 そう思って頬を緩めた時、店員さんが頼んだものを運んできてくれた。

「おりちゃん、こうやって息抜きしないと人間って生きていけないよ。食べな。」

「……本当に、何から何までありがとうございます。成生お兄さんですね。」