こんなところで成生さんと会うなんて……。

 今の時間は朝の自由時間だから会ってもおかしくはないけど、正直会いたくなかった。

 成生さんも風羽さんと同じZenithだから、会うのが凄く気まずい。

「どうされたんですか?」

 若干震えている声で、そんな事を尋ねてみる。

 私にわざわざ声かけてくるなんて……もしかして昨日の事が知られてる?

 でも風羽さんが成生さんに言うとも限らないから、どういう事か分からなくなってくる。

 成生さんは私の疑問に、爽やかスマイルのままこう答えてくれた。

「ちょっとだけお話相手になってくれないかな。おりちゃん、最近疲れてそうだし。」

「そ、そうですか……?」

 私が疲れてそうって、自分じゃそう思わないけど傍から見たらそう見えるのかな。

 だけど、成生さんのお話相手になれるほど今の私は余裕がない。

 また、あんな事になっても迷惑をかけちゃうし。

 成生さんには申し訳ないけど、断らせていただこう……。

「おりちゃん、悩み事あるならこの成生お兄さんに話してみな。」