「先輩、大丈夫かな……。」

 僕は球技大会の片付けをしながらそんな事を呟いた。

 今は球技大会の閉会式も終わって、軽めの片付けをしている最中。

 実はさっき、栞先輩が倒れて保健室に運ばれたって聞いた。

 僕はそれが凄く心配で、ぼんやりとしながら手を動かしている。

 聞くところによると、神々さんが先輩を運んだんだとか。

 それが僕は……無性に気に食わない。

「都真、何そんな怖い顔してるの。」

「天さんですか。何か僕に用ですか?」

 その時不意に天さんが隣から顔を覗かせ、意地悪く尋ねてきた。

 天さん。この人のことは昔から知っているけど、得意な人じゃない。

 だけど天さんは、居場所がなかった僕を救ってくれたから何も言えない。

 でも今は苛立ってしまっていたから、ついぶっきらぼう口調になってしまった。

「冷たいね、都真。栞のことがそんなに気にかかるの?」

「……分かってるのなら、わざわざ聞かないでくださいよ。」

 天さんはきっと分かっている。

 だけどわざと言わせようとして、こんなに意地悪な質問を投げてくるんだ。