私、最低だ……。

 風羽さんとの事があってから数日経ったけど、申し訳なさが消えることはなかった。

 分かってる。自分がやった最低な事は。

 自分を抑えられなかったのも、あの場で怒鳴ってしまったのも後悔している。

 でもそれ以上に、過去の事に触れてほしくなかった。

 ……過去の事を、知られたくなかった。

 あの時の風羽さんは、私が過去に何かあったと勘づいていた。

 だから咄嗟に、大きな声を上げてしまった。

 風羽さんに向ける顔が、ない……。

 しかもその日は生徒会を休んでしまって、天さんたちにも迷惑をかけた。

 どうしよう……私、自分を抑えられる自信がない。

 最近は感じなかった事を考え、いろんな感情を織り交ぜたため息を吐き出す。

「あ、おりちゃんだ。」

 その時、背後からそんな声が聞こえてきた。

 私のことをおりちゃんと呼ぶ人は、この学園にあの人しかいない。

「成生さん、こんにちは。」

 振り返ってぎこちない笑みを繕いながら、成生さんの言葉に返す。

 後ろにはやっぱり、成生さんがいつもの爽やかスマイルで立っていた。