「柊木栞のこと、成生はどう思ってる?」

「おりちゃんのこと?うーん、そうだね……。」

 正直、神菜のさっきの事は言わないほうが良いと思った。

 あんなに必死になって止める神菜は初めて見たし、勝手に話していい事でもないと思う。

 でも成生は、Zenithの中で一番神菜……というか、柊木栞と仲が良いと思うから聞いたほうが良いだろう。

 一番最初に謝りに行ったのも成生だったし、神菜からの信頼も厚いはず。

 そんな成生がどう答えるのかが気になって、成生のことを見据えて言葉を待つ。

 成生は悩んでいるような素振りを見せたけど、すぐにこんな事を言った。

「俺はおりちゃんのこと、素直で素敵な子だって思ってるよ。お人好しなのが少しだけ心配だけど、人間の中じゃ一番良い子なんじゃないかな?」

 思った事を淡々と述べているような様子の成生。

 確かに、成生の言う通りだと僕も思う。

 神菜は超がつくほどお人好しだけど、優しさがあって慈悲深く魅力的過ぎる女の子。

 ……成生は、神菜のことを恋愛対象として見てないよね?