「成生かぁ……。そうだね、ある意味この世の終わりかもね。」

 冗談交じりに笑ってそう返す。

 だけど成生は、全てを見通したようにこう言ってきた。

「おりちゃんのことだよね?それくらい分かるよ。」

「やっぱり、成生には隠し事できないね。」

 成生はこういう時、勘が凄く鋭い。

 だからこそ相談役にはもってこいだし、僕も成生のことは特別信頼している。

 神菜のことは成生に言ってないけど、相談だけでもしてみようかな。

 神菜の様子はあからさまに変だった。その事も相まって気になってしまって仕方がない。

「成生、少しだけ相談に乗ってくれない?」

「風羽から相談なんて珍しいね。いいよ、どうしたの?」

「あはは……ちょっと、ね。」

 僕は成生を目の前のソファに座らせてから、簡潔に疑問を投げてみた。

 神菜のことは言わないほうが良いだろうし、正体がバレても面倒。

 成生は神菜を恋愛対象として見てないだろうから、その心配は杞憂だろうけど……一応ね。

 さっきの一連の出来事を簡単にまとめ、とりあえず成生に意見を聞いてみる。