「大丈夫ならよかったです。……だけど、どうして魔力不足に?」

 さっきからずっと気になっていた事を口にし、首を傾げる。

 その一瞬だけ、風羽さんが息を呑んだような気がした。

 また頬が紅潮しだして、熱があるのかもしれないと心配になる。

 私も体調を崩したばっかりだから、風羽さんももしかしたらっ……!

 そう考えてあわあわしてしまったけど、風羽さんはすぐにこう答えた。

「僕も詳しい原因は分からないんだけど……いきなり魔力が吸い取られるような感覚になってから、魔力不足になったんだ。」

 吸い取られるような……って、確か私も……。

 保健室で休んでいる間、そんな事があったはず。

 その時、ある疑問が頭の中に浮かんできて風羽さんに聞いてみることにした。

「風羽さん、他に体調不良になっている人とか……いませんか?」

「他に……あっ、そう言えば咲空も体が重いって言ってた気が……。」

 咲空さん、か……。

 咲空さんもZenithだから、魔力を持っている魔族になる。

 あれ?これ、もしかすると……。