だけど咄嗟に声をかけられて、ゆっくりと振り返る。

「待って、神菜。」

「どうしたんですか?」

 もしかして、まだ不調なところがあるのかな……?

 魔力が足りなかったのかなとも考えたけど、風羽さんは不安そうな表情である事を口にした。

「少しお話したくて……僕についてきて?」

 お話……?

 どうして私に……と考えたけど、風羽さんのさっきの状態も知りたい。

 原因が分からないんじゃ、これからの対処のしようがない。

 魔術師の仕事は使い魔に任せればいいし、生徒会までの時間はまだたくさんある。

「分かりましたっ。」

 私はその事を踏まえてから、風羽さんの言葉にそう返した。

 これで原因が知れたら、私の突然の体調不良の原因が分かるかもしれない。

 それにもしかしたら、風羽さんに限った話じゃないかもしれないと考えている。

「ありがとう。じゃ、僕についてきて?」

 さっきの言葉をもう一度言い、風羽さんはベンチから腰を上げた。

 まぁ……話の中で収穫があってもなくても、話を聞いて損はないはず。