そう思いながらも風羽さんの様子を見ながら、魔力回復を図る。

 するとしばらくしてくると、風羽さんの顔色が良くなってきた気がしてきた。

 そのままある程度の量の魔力を流してみて、風羽さんに尋ねてみる。

「風羽さん、体調どうですか?」

 顔色は大分良くなっているし、きっと体調も良くなっている思うけど……。

 一抹の不安を抱えながら、風羽さんをじっと見つめる。

 風羽さんはまだ頭が上手く働いていないようだけど、ゆっくりと首を縦に振って頷いてくれた。

「うん、もう大丈夫。……それにしても神菜、よく僕が魔力不足だって分かったね。」

 あー……それは、風羽さんの様子と何となくの勘かな。

 もう少し細かく見ればもっと精密に分かるけど、見た目だけでも案外分かるものだった。

 あの顔色の悪さと魔力の少なさを見せつけられて、すぐにもしかしたらって思ったんだ。

 当たっている確証はなかったけど、風羽さんの体調が治って良かった……。

 小さく息を吐き、私は風羽さんの元を離れようと笑顔を浮かべた。