エントランスまで降りて、マンションから出る。

 外にはいつものように新さんが待ってくれていて、私は慌てて駆け寄った。

「新さん、おはようございますっ!」

「あぁ、おはよう。」

 挨拶を返してくれ、二人で学園へと向かう。

 そこまでだったらいつも通りだけど……今日はいつもと何かが違っていた。

 ……いや、その何かも分かっているけど……。

「神菜はどうしてそんなに可愛いんだ?」

「へっ?」

 歩いている途中、急にそんな事を尋ねられて素っ頓狂な声を発してしまう。

 そんな事を聞かれたのにも驚いたけど、それよりも驚いたのは新さんの表情。

 ま、真顔で聞く事じゃないと思いますけど……。

 新さんはさっきから真剣そうな真顔で尋ねてきていて、どう返せばいいのか分からない。

 え、ええっと……ど、どうしたらいいんだろう……。

 まさかこんな率直に、ド直球に聞かれてしまうなんて想定外だった。

 だけど新さんは真剣に聞いてくれているんだから、私も真剣に答えなきゃダメだよね……。