廊下を翔葉さんと歩いている最中にふと、ある事が頭の中に浮かんだ。

　これ、新さんに何て言えばいいんだろう……。

　本当は新さんに言う義務はないけど、これまでずっと言ってきたから言わないといけない気がしていた。

　新さんは私のことをいつも考えてくれているから、変に騙す事はしたくない。

　だけどこの事を言ったら、今度こそ嫌われちゃうかも……。

　馬鹿だって、油断しすぎだって、言われちゃうかもしれない。

　そ、それだけは嫌っ……！

　……でも、そう思われても仕方ないよね。

　こんな短期間にバレてしまうなんて、危機管理がなってないんだ。

　だからこんな風にバレて、隠していてとお願いする事になっている。

　私のせいで皆さんに迷惑がかかっているっていう事実を突きつけられた気がして、落ち込んでしまう。

　その時、不意に顔を上げると新さんの姿が映った。

「新さんっ……！お待たせしましたっ……！」

　新さんの姿を捉えると、何故か嬉しくなるこの現象。

　今だってそうだし、最近はずっとこの調子。