これ以上バレてもダメだけど、ここではぐらかすのは絶対に良くないっ……!

 何て言われるのか予想できないから、怖いと思ってしまっている。

「いや、別に謝らなくていい。お前のことも黙っておくから。」

 ……ほ、本当っ!?

「あ、ありがとうございますっ……!」

 きっと翔葉さんなら……って分かっていたけど、そう言われて心の底から安心できた。

 やっぱり皆さん、良い人っ……。

 で、でも天さんは、少し怖いかもしれない。

「と、というか天さん、流石にそろそろ変装セット返してくださいっ!」

 さっきからこう訴えているのに、天さんは一向に変装セットを返してくれない。

 意地悪な天さん……。

 ぷくーっとむくれて抗議した時、翔葉さんも加勢してくれた。

「空衣、流石にやり過ぎだろうが。大人しく返してやれ。」

「小鳥遊はつれないな~。まぁ良いよ、神菜の居場所が分かったんだからね。」

 天さんはまだ意地悪な笑みを浮かべているけど、ちゃんと返してくれた。

 ポンッと出てきた変装セットを受け取り、柊木栞の姿になる。