最強さんは魔術少女を溺愛したい。④ ~三大勢力の溺愛は急上昇超加速~

 俺はもう何回吐いたか分からないため息を吐き出し、会長室へと足を進める。

 ……話し声、か?

 扉に手をかけようとした時、向こうから声が微かに聞こえてきていた。

 一人は空衣だと思うが、もう一人が分からない。

 女っぽい声で、どこかで聞いたことがあるような……。

 ぐるぐると考え思い出そうと悩んでいたその瞬間、会長室の扉がおもむろに開け放たれた。

 凄い勢いで、警戒していないとこっちが圧倒されてしまうほどの。

 だが俺は……その中から出てきた人物に、驚かずにはいられなかった。

「……元宮、神菜?」

 扉から急いだように出てきた人物は、ここにはいない元宮神菜だったから。

 透き通るような白い肌に大きな黒い瞳。肩までの薄桃色と白の髪。

 そして何故か、月魔城学園(ここ)の制服を着ている。

 は……?幻覚、だよな……?

 どうしてもそう思わずにはいられず、瞬きを無意識に繰り返す。

 元宮神菜がここにいるはずがない。いるのがおかしい。

 瞳の色は違うが、元宮神菜で間違いないはず。

 何でこいつが、ここにいるんだよ……。

 ずっと探していた奴に会えたのに、俺はまともに信じることができなかった。