小鳥遊家と神々家は直接的な関係もある為、仕えているとなると少しはこちらにも利益があると考えているらしい。

 だが俺は、そんな結論を呑んではいなかった。

 意外な事に俺も独占欲が強いらしく、元宮神菜を神々家に取られたくないと思っている。

 始めはその気持ちを馬鹿馬鹿しいと思って真に受けていなかったが、日を重ねるごとにその気持ちは強くなっていった。

 何だよ、俺も所詮はただの男じゃねぇか……。

 すぐにそんな結論に至り、俺は元宮神菜のことをもっと知りたいと興味を抱いた。

 それが俺の、今の気持ちを持った過程。

 だが無理だと、もう分かり切っている。

 あいつと会えるのは一筋縄じゃ行かない事なんて分かっていたから、そんな無謀なものは諦めようともしていた。

 どうせこんな感情抱いてたって、すぐにどうでもよくなる。

 飽きっぽい俺はもう先の事を見据えていて、似合わない感情を切り捨てようと考えた。

 ……まさか、あんな形で熱が再発するなんて考えてもいなかったが。