確かに元宮神菜だと自然に仕事モードになっちゃいそうだけど、最近は全然気にしてなかった。

 仕事と普段で、私って変わるんだろうか……。

 あははと乾いた笑みで曖昧にすると、天さんははぁ……と息を吐きだした。

「まぁ、別に神菜がいるなら良いよ。目的は果たせたわけだし。」

 も、目的って……?

 言葉の意味が分からず首を傾げると、天さんはふっと微笑んだ。

「言ってなかったね。僕はずっと、君に会えるのを待ってたんだ。」

「ど、どうしてですか……?」

 な、何で私……?

 もしかして……と思う事はあるけど、確信が突けないから何も言えない。

 いや、天さんの事だからあり得る……。

 だけど天さんは、何でもないというようにあっさりと口にした。

「君に会いたかったのはね、みんなが絶賛している元宮神菜がどんな子なのか知りたかったから。ま、僕たち天界族側についてほしいっていう理由もあるけど。」

 ……半分当たり、半分外れってところかな。

 私が予測していた事は魔術師に関する事だから、半分は正解だと思っている。

 でもやっぱり、天さんは予想の斜め上の事を言う。