うっ、何を言われるのか分からない……。

 だけどここでお願いを聞かないと、バラされる恐れがある。

 そう思って私は意を決して、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「天さん、お願いって……?」

 半ば震えている唇を開き、そう尋ねる。

 どうか変な事言われませんようにっ……!

 そしてその私の言葉を聞いた天さんは、ふっと面白そうに笑った。

「ふふっ、そうだよね。お願い言わないとね。」

 そんな前置きをしてから、またパチンッと指を鳴らした天さん。

 その瞬間、目の前に美味しそうな紅茶とお茶菓子が現れた。

 わっ……び、びっくりした……。

「あの、これは……?」

 でも、こんなものを出されても何が何だか分からない。

 不思議に思って首を傾げながら聞くと、紅茶を嗜みながら天さんはこう言った。

「僕のお願いは、僕とここでお茶してくれないって事だよ。」

「へ……?そ、それだけで良いんですか……?」

 拍子抜けしてしまう返答が返ってきて、思わずぽかんとしてしまう。

 お、お茶するだけで良いの……?