「お、遅れましたっ……!」

 生徒会室の扉を急いで開け、大きな声でそう言い放つ。

 少し遅れちゃったっ……!

 考え事をしながら仕事をしていたから、来るのがいつもよりも遅れてしまっている。

 だけど私は思わず、素っ頓狂な声を洩らしてしまった。

「天さん、他の人たちは……?」

 天さんはいつも通り、奥の席に座って優雅に資料を読み込んでいる。

 でも夕弥さんや世妖さんなどの、他の役員さんが見つからない。

 あれ……?もしかして私、間違って来ちゃった……?

 きょろきょろと周りを見回している時、そんな考えが脳裏をよぎる。

 昨日も生徒会休みだったから、もしかして今日もなのかも……。

 だから他の役員さん、全員いないんじゃ……。

「今日も生徒会を休みにしたから、今日は他の役員はいないよ。連絡も入れてある。」

 私の問いに、天さんはさらっとそう答えてくれる。

 や、やっぱりっ……!

 天さんの言葉で推測が確信に変わり、ポンッと手を打って納得する。

 ……でも、待って。