……大きな邪気が、一切存在していない。

 この学園に来た時からあった、移動しているであろう大きな邪気魔力が今は……全くない。

 ついこの前まであった、東棟に留意していたものも元からなかったようになくなっている。

 その現状に、妙な違和感を覚えた。

 ……早く、原因を突き止めないといけない気がする。

 文献にもないし、前例にもない今回の任務。

 不思議な点も疑問な点もたくさんあるけど、早めに解決しないと……取り返しのつかない事になってしまいそう。

 ざわざわと胸騒ぎがして、落ち着かせるために大きく息を吐く。

 ……大丈夫。私なら、できるから。

 自分に言い聞かせるように、暗示をかけるように、心の中で何度も繰り返す。

 だけど念の為、守護魔術を高等部校舎全体にかけておいた。

 これで何かがあっても、きっと大丈夫と思う。

 私は首に下げているネックレスを握りしめながら、喝を入れるように意気込んだ。

 考えてもダメだよねっ……!

 できるだけ自分の頭をポジティブ思考にして、ネガティブ思考に陥らないように頑張った。