さっきまでキラキラとしていたけど普通の雰囲気だったのに、今は何というか……あ、甘い。

 言葉に表すのは難しいけど、そう感じ取る事ができた。

「神菜、行くぞ。」

「あっ、は、はいっ……!」

 新さんのその言葉ではっと我に返り、学校へと足を運ぶ。

 だけど新さんの態度は、全くいつも通りのものに戻っていた。

 さ、さっきのは何だったんだろう……。

 はてなマークを浮かべながら、うーんと考えを巡らせる。

「……神菜。」

「は、はいっ?ど、どうされましたかっ……?」

 突然名前を呼ばれて、つい上ずった声をあげてしまう。

 は、恥ずかしいっ……!

 自分ばかり意識しているような気がして、顔が真っ赤に染まっていく。

「相変わらずお前は可愛いな。」

 かっ……可愛いなんてっ……!

「そんな事ないですっ!」

 大きな声でそう反論し、頬をこれでもかってほど膨らませる。

 や、やっぱりいつもの新さんじゃないっ……!

 でも新さんはそんな私を見ながら、平然とした態度でこう言い放った。