「では皆さん、準備はよろしいですか!?」

「「「おぉぉぉ!!!」」」

「決勝戦、開幕ですっ!」

 あ、あはは……凄い熱気だ……。

 休憩も何事もなく終わり、球技大会は午後の部に突入した。

 午後の部一発目は男子の決勝戦で、最初に一年生と二年生の試合だ。

 皐月君のチームと疾風君のチームの対決で、私も胸を躍らせていた。

 二人とも、午前の部で凄い活躍だったから……観戦するのが楽しみっ。

 本部席に座っていて、つい頬を綻ばせてしまう。

「対戦は一年と二年ですよ!エースは形野皐月君、戌待疾風君です!一年と二年では力量の差が違いますが、どうなるのでしょうかっ!?」

 放送委員の人もヒートアップしていて、叫ぶようにしてそんなことを言っている。

 だけど、力量の差が違うのにどうしてわざわざ学年で対決するのかが気になる……。

 さっき天さんにそれとなくその事を聞いてみたら、天さんらしい理由が返ってきた。

『だってそのほうが盛り上がるし、下の学年が下剋上する機会にもなる。それにどの学年に当たるかは完全に運。運も実力のうちって言うでしょ?これはこの学園の伝統だから、見ものなんだよ。』