充希くん、第一志望は、緑葉谷高校って和音さん言ってたし…勉強大変だろうな。


まぁ、私と違って充希くんの場合、元々成績もかなり良いみたいだし、心配ないみたいだけどね。それに、私が心配するのもおこがましいというか…。

以前、和音さんから聞いた充希くんの成績を思い出し、苦笑いを浮かべた。


さてと、充希くんの成績はともかく、私も早く買い物して帰らなくちゃ。
和音さんは、もう忙しい時間は過ぎたからゆっくりでいいよって言ってたけど、まだ手の調子も良くないだろうし早く帰ってお手伝いしないと。

そう思って、再度辺りを見回した時。

「…あれ?久瀬先輩」

私がいる場所から少し離れた飲み物のコーナーに、久瀬先輩を見つけ、思わず二度見してしまう。

歓迎会後、すぐに中間テストや体育祭が始まったりと、テストと行事が重なって急に忙しくなった学校生活。

その間、部活はお休みで行事が終わってようやく始まった部活に、顔を出しては見るものの、久瀬先輩の姿は見当たらなかった。


幽霊部員って莉里花先輩言ってたもんね…。


そう頭では納得したが、結局、以前、古典の橋本先生から助けてもらったことに対して、お礼を言う機会を逃してしまっていたのだ。


学年違うと…なかなか、顔を合わせないのもあるし…。